hiCreator は、クリエイターキャンペーンを最初から最後まで実行する AI プラットフォームです。 ブリーフを渡すと、候補リストを作り、アウトリーチメールを書いて送り、返信を分類し、料金交渉を進め、 契約書を下書きし、納品を追跡し、実績データを回収します。対応は Instagram、TikTok、YouTube の 3 つ、 5,000 万件以上のクリエイタープロフィール、120 以上の国と地域をカバーします。 このエージェントに課された制約は 3 つあります。モデルがメールを生成する経路は 1 つだけで、 そのメールを送るかどうかをモデルは決めません。上限価格は下書きステップが読み取れないフィールドに置かれます。 そして 5 つの信号——具体的な金額の提示、成約の確認、支払い方法の質問、条件への署名要求、 承認用の完成動画の提出——のいずれかが出た時点で、会話は即座に担当者へ戻ります。
クリエイターマーケティングを規模化するとき、ボトルネックは選定ではありません。 条件に合いそうなクリエイターを 200 人絞り込むだけなら、使い慣れたツールで半日あれば終わります。
難しいのはその後です。「なぜあなたなのか」を書き分けた 200 通のアウトリーチメール、 6 つのタイムゾーンから戻ってくる 90 通の返信、こちらに価格の基準がないまま臨む 40 ラウンドの見積もり交渉、 30 件の契約、30 本の台本レビュー、30 本の完成動画レビュー、30 本の公開リンクの催促、 そして経理が扱いたがらない 30 件の国際送金です。
この種の作業は人員を増やしても解決しません。個々の動作は難しくありませんが、量が多く、順番が固定で、 各ステップが相手の返信内容に依存します。エージェントが得意とする作業形態であると同時に、 制約なしに任せたときに最も事故が起きやすい形態でもあります。
以下では hiCreator の実装を分解します。AI 選定の検索経路、アウトリーチエージェントが書ける範囲、 交渉で上限価格が構造的に漏れない仕組み、規模化後のファネルの実際の形、 そして意図的に自動化していない部分についてです。実装ではなく製品概要だけが必要であれば、hiCreator の製品ページの方が短くまとまっています。
まずカテゴリを分ける
「AI インフルエンサーマーケティング」という言葉の下には 3 種類のソフトウェアがあり、それぞれ機能しなくなる場所が違います。
| 種類 | 担うもの | 使った後に残る作業 |
|---|---|---|
| クリエイターデータベース | インデックスを検索し、フォロワー数・地域・エンゲージメント率で絞り込む | リストが 1 本出る。その後の作業——メール探し、文面作成、返信の解釈、交渉、契約——は 1 つも減らない |
| クリエイター CRM | パイプラインの状態を記録する。誰に連絡済みか、どの段階か、何が決まったか | 整然とした記録が残るが、記録されているのは依然として自分でやる作業。CRM が催促メールを書くことはない |
| エージェント実行型プラットフォーム | 次のアクションを実行する。下書きと送信、返信の分類、交渉のルーティング、契約書の準備、納品の催促 | ToDo リストが意思決定リストに変わる。同時に新しい問題が生じる。監視されていないとき、それはどこまでやってよいのか |
hiCreator は 3 番目に当たり、同じエンジンを 2 つのエディションで提供しています。 ツールエディションは各機能を単体で開放します。AI 検索、類似検索、サムネイル検索、メールアドレス特定、 オーディエンス分析、フェイクフォロワー検出、コンテンツ追跡です。すでに運用フローが固まっていて、 その一部だけを補いたいチーム向けです。オートメーションエディションは全工程をエージェントに渡します。 インデックスもモデルも連絡先データも共通で、違いは各工程の間を誰が引き継ぐかだけです。 オートメーションエディションはアカウント単位での開放としており、セルフサインアップでは使えません。 実在のクリエイターに本当にメールを送るシステムを、誰でもいつでも起動できる状態にはしないためです。
6 つの工程を誰が回すか
キャンペーンは 6 つの工程を通ります。エージェントは 6 つすべてを実行でき、判断・支出・ブランドリスクが関わる地点で人を呼びます。
- 1選定 —— エージェントが全工程を実行
ブリーフ(製品リンク、自社サイト、資料、スクリーンショットでも可)を渡すと、 19 個の定量フィールドと定性基準からなる選定仕様に変換されます。 その後、検索・エンリッチ・レビュー・メールアドレス補完が 1 本のパイプラインとして走ります。 手元に出てくるのは検索ボックスではなく、リストです。
- 2アウトリーチ —— エージェントが下書き、ゲートは自分で設定
初回メールとフォローアップは、設定済みのアウトリーチ方針に沿って 1 人ずつ書かれます。 下書きを直接送るか、レビュー待ちに積むかはキャンペーン単位の設定です。 加えて、いくつかの条件では強制的にレビュー待ちへ戻されます。
- 3交渉 —— エージェントは境界の内側でのみ動く
返信は分類してからルーティングされ、クリエイターが提示した金額は構造化フィールドに抽出されます。 上限価格はプロンプトに入りません。5 つの信号のいずれかが出た時点で、エージェントは停止して引き継ぎます。
- 4契約 —— 判断は人、準備はエージェント
契約フォームは値が埋まった状態で提示されます。合意した金額、クリエイターのページ、納品物、宛先が入り、 各項目には取得元が表示されます。3 つの納品期日は意図的に空欄のままです。
- 5納品 —— エージェントが追跡し、人が承認
台本、完成動画、公開リンクの 3 段階があり、それぞれがレビュー地点です。 公開後は設定した頻度でデータを取得し、コメントに対して感情分析と購買意向分析を個別に実行できます。
- 6成果データの回収と支払い調整 —— データはエージェントが回収
再生数、エンゲージメント、コメントの信号がキャンペーンレポートにまとまります。 支払いはワークフロー上のゲートとして設計されており、工程の 1 つではありません。 現状については後述の資金に関する説明を参照してください。
工程 1:AI 選定の実際の流れ
「セマンティック検索」という言葉は、多くの製品コピーで意味を負わされすぎています。以下は 1 回のクエリが実際に通る経路です。
要件はまずモデルによって 2 つの検索ドキュメントに書き換えられます。1 つは原文に忠実なもの、 もう 1 つは統制された拡張版で、言い換えは許容しますが隣接ニッチへは逸れません。 両方をベクトル化して並列に検索します。インデックスにはクリエイター 1 人につき 3 つのベクトルがあり、 全体ベクトルが 3072 次元、ニッチとプレゼンテーションのベクトルがそれぞれ 768 次元です。 2 系統の結果を RRF で統合・重複排除し、ハード条件と除外リストを適用します。
次がコストのかかる工程です。目標件数の 5 倍の候補をレビューモデルに渡し、50 件ずつ、最大 20 バッチを並列で採点します。 モデルはクリエイター 1 人につき 3 つの有界な判断を返し、サーバー側が固定ルールで 0〜100 点に換算します。 モデルに点数を自由生成させることはありません。集計対象は成功したバッチのみで、 失敗したバッチは破棄します。ジョブ全体をやり直すと、全員分のレビュー費用をもう一度払うことになるためです。
| パラメータ | 値 |
|---|---|
| 1 回あたりの取得件数 | 20 / 40 / 100 / 200 |
| 1 枠あたりのレビュー候補数 | 5 件 |
| 検索の類似度下限 | 0.8 |
| レビューのバッチサイズ / 並列数 | 50 件 / 20 バッチ |
| 指定できるハード条件 | 国、言語(38 種)、フォロワー数レンジ、平均または中央値の再生数レンジ、性別、人種、 クリエイタータイプ(10 種)、顔出し度合い、メールアドレスの有無、チーム単位の重複除外 |

要件はキーワードではなく文章です。「プロの料理人ではなく家庭で料理する層に向けている」という条件は、 どんなフィルタでも表現できません。ハード条件はタグとして横に並び、コストは実行前に提示されます。

カードは 40 枚。各カードにフォロワー数、平均・中央値の再生数、エンゲージメント率、ポジショニングタグ、 連絡先、直近コンテンツの個別データが載っており、Instagram を開かずに一次選別ができます。 画像内の連絡先メールはマスクしています。製品上では完全な形で表示されます。
レビューモデルが見られる範囲
| 採点モデルが読むもの | 採点モデルが読めないもの |
|---|---|
| ポジショニング、ニッチ、頻出トピック | フォロワー数 |
| 登場する製品、コンテンツ形式 | エンゲージメント率 |
| ビジュアルスタイル、よく使われるシーン | 画像と投稿本文 |
| 保存済みの地域、言語、クリエイタータイプ | インデックス外のあらゆる情報 |
性別や年齢といった属性は、要件で明示的に指定された場合にのみ採点に入ります。 フォロワー数を除外しているのは見落としではなく意図的な制約です。 オーディエンス規模が見えるモデルは規模そのものを評価し始めますが、規模は適合性ではありません。

これがレビューモデルの実際の読み取り対象です。構成要素に注目してください。頻出トピック、コンテンツ形式、 製品カテゴリ、そして照明・背景・カメラワークまで踏み込んだ記述。このプロフィールにフォロワー数は一度も出てきません。
同じ仕組みの上で 2 つの派生機能が動きます。類似検索は、すでに取引のあるクリエイターを 1 人入力すると、 トーンとオーディエンスが近い層を返します。インデックス外のアカウントはそのリクエストのためだけに取得・分析され、 不完全なデータとして公開ライブラリに書き戻されることはありません。サムネイル検索は画面で一致を取ります。 目当てのサムネイルを文章で説明するか、画像を 1 枚アップロードします。 「実際にその種のコンテンツを作っている人」に最短で到達する方法であり、 「自己紹介にそう書いている人」を探す方法ではありません。人力版の手順はクリエイターの探し方で解説しています。
工程 2:アウトリーチメールで書ける範囲
多くの「AI アウトリーチ」製品はこの段階で、表現が洗練されただけの一斉送信に戻ります。正しく作るには 4 つの制約が要ります。
送信経路は 1 つだけで、その経路は送信ボタンではありません。モデルがメールを生成できるツールは 1 つしかありません。宛先も、どのスレッドに載せるかも指定できず、 それらはエンジン側のフィールドです。下書きを送るかどうか、いつ送るかはワークフローが決め、モデルは関与しません。 モデルはレビューゲートに該当した時点で下書きをレビュー待ちとして印を付けられます。 この印は自動送信を有効にしたキャンペーンでも同様に効きます。
金額に触れてよいかどうかは認可であり、推測ではありません。このメールで価格に言及してよいかは、実行時に渡される認可フラグが決めます。 モデルが「そろそろ交渉段階だろう」と自分で判断する余地はありません。 人間からエージェントへ渡す指示は schema の段階で数字と通貨を拒否するため、 「400 ドルで提示して」といった自由文は通りません。
返信の分類が、その案件の進路を決めます。受信メールは 5 種類のいずれかに分類されます。 実質的な人間の返信(サンプル要求、確認要求、値下げ交渉を含む)、明確な辞退、不在時の自動返信、 チケットまたはサポート窓口からの自動応答(そのアドレスの向こうにクリエイター本人がいないことを示す)、 汎用的な自動確認です。判断がつかない場合の指示は明確で、人間の返信として扱います。 人間の返信を自動返信と誤判定すると有効な案件が無言で終わりますが、逆の誤判定は 1 往復無駄になるだけで、 代償の大きさが釣り合いません。
金額は要約ではなく抽出します。クリエイターが数字に触れた時点で——「動画 1 本 800 ドル」、 レートカード、下限価格——エージェントは構造化フィールドに抽出します。金額、正規化した通貨、 そして「メールで言及があった場合のみ、原文のまま加工せずに記録する」3 項目です。 その価格が対象とする納品物、コンテンツの掲載期間、二次利用や広告配信の許諾を含むかどうか。 この 3 項目は後で契約フォームにそのまま入ります。この時点で抽出しなければ、 3 週間後に誰かがスレッド全体を読み直すことになります。
図中の 5 つの工程のうち 4 つはエンジンの処理であり、モデルの処理ではありません。 モデルが担うのはテキストを生成することだけで、そのテキストが実在の受信者に届くかどうかは、すべてモデルの外で決まります。
修正済みの 2 つの不具合と、その直し方
1 つ目は、文脈がまったくない状態でメールを書いてしまう不具合です。メール履歴を読み込めなかったとき、システムは空の履歴に降格してそのまま処理を続けていました。 つまり自動送信を有効にしたキャンペーンでは、会話を一切読まずに返信を書いて送る可能性がありました。 直し方はプロンプトの改善ではありません。履歴の読み込み失敗時にフラグを立て、強制的にレビュー待ちへ回します。
2 つ目は、最も重要なメールを無言で切り詰めていた不具合です。長い受信メールは末尾から固定長で切られていましたが、そこはクリエイターが価格表と日程を書く場所です。 現在はトリガーメールに大幅に大きな枠を割り当て、どうしても短縮が必要な場合は中間を省略して印を付け、 同時にその案件をレビュー待ちへ回します。数字を無言で失うことはありません。
工程 3:交渉で上限価格を守る
自動交渉のリスクは、AI が値切り下手かどうかではありません。自社の上限価格が、送信済みのメールに載ってしまうことです。 hiCreator はこれを注意喚起ではなく構造で処理します。
目標価格は専用の数値スロットに格納され、参照できるのは戦略ステップだけです。 下書きステップ——クリエイターが実際に読む文章を生成する工程——はこのフィールドを受け取りません。 「プロンプトで言及しないよう指示している」のではなく、その数値がスコープの外にあります。 さらに 4 つのゲートが後ろに控えます。指示 schema による数字と通貨の拒否、許可リストのダイジェスト検証、 予算超過の入力を入口で破棄、下書きの送信前スキャンです。
引き継ぎのルールは、多くの人の想定より厳格です。以下の 5 つの信号のいずれかが出た時点で、エージェントは下書きを止めて担当者に渡します。
- クリエイターが具体的な金額、下限価格、またはレートカードを提示した
- 価格が合意に達した、または相手が受注を確認した
- 相手が支払い方法、支払いサイト、振込先を尋ね始めた
- 相手が具体的な条件——利用許諾範囲、独占、広告配信、買い取り——の確認または署名を求めた
- 相手が台本または完成動画を承認のために提出した
返信が前向きなだけで実質的な約束がない場合、引き継ぎは発生せず、エージェントは会話を進めます。 しかし実質的な商談要素が出た時点で、そのラウンドでの下書きは禁止されます。 エージェント側の skill ファイルには「判断がつかない場合も引き継ぐ」と明記されています。 余分に引き継ぐコストは担当者の 1 分ですが、自動で約束してしまうコストは賠償になり得ます。 人力版のやり取りはアウトリーチメールのテンプレートとクリエイター料金の考え方で扱っており、 エージェントの動き方もこれを基準にしています。
工程 4〜6:契約、納品、そして資金
契約書を出す段階に来たとき、そのキャンペーンは記入すべき内容のほとんどをすでに把握しています。 フォームは値が入った状態で提示され、各項目に取得元が表示されます。金額はクリエイター自身の提示から、 ページはクリエイタープロフィールから、宛先はアウトリーチの連絡先から、条件はキャンペーン単位の設定から。 表示される値と、送信後に契約書へ書き込まれる値は一字一句同じです。異なる結果を出しうる第 2 の経路は存在しません。
3 つの納品期日を意図的に空欄にしている理由
台本の最終版、完成動画の最終版、公開日の 3 つは、簡単に初期値を入れられます。 「契約作成日 +3 / +8 / +11 日」を既定値にする実装が一度リリースされ、当日中に撤回されました。 根拠は「オンライン上の 14 件の契約のうち 11 件がこの間隔だった」というものでしたが、 契約作成日でグループ分けすると事情が見えます。その整った 11 件は、より古いシステムの機械的な既定値であり、 人が選んだ値ではありませんでした。運用担当が自分で日付を選べるようになった後に締結された 3 件では、 間隔はそれぞれ 0/7/29、2/17/22、4/7/7 でした。サンプル中で唯一の人間由来の信号は、 適切な既定値が存在しないことを示していました。
他の初期値はすべて、すでに存在する事実を呼び戻しているだけです。日付は違います。 それはクリエイターに対する約束であり、根拠のない推測値を入れておくことの実際の効果は、 フォーム上で最も立ち止まって考えるべき判断を、そのまま通過させてしまうことです。
納品は 3 つのレビュー段階に分かれます。台本、完成動画、公開リンクで、いずれも「クリエイターが提出し、人が承認する」組み合わせです。 公開後はコンテンツ追跡が 12 時間 / 1 日 / 3 日の頻度で取得し、期間は 7〜90 日から選べます。 コメント分析は任意実行で、1 回あたり 1〜1000 件を指定でき、感情、購買意向、話題、 そして 1 回の分析で同時に生成される日英の要約を出力します。
購買意向の定義は意図的に狭くしています。これは何の製品か、どのモデルか、どこで買えるか、どう使うか、 仕様、互換性、効果、価格、在庫、配送、注文方法——これらの質問は計上します。 単なる称賛、絵文字、クリエイター本人についての話は計上しません。 意向はコメント件数で計測し、レポートにも「1 件のコメントは 1 件の購入ではない」と明記されます。
資金については正確に述べておきます。エスクロー、マイルストーンごとの支払い、多通貨決済は、 設計上は差し替え可能なブロッキングゲートであり、新しい工程ではありません。 システム内のあらゆる状態遷移が必ず通る単一の入口に取り付けられているため、 「契約送付前に入金を必須にする」「クローズ前に残金の支払いを必須にする」は設定の問題であり、作り直しではありません。 このアーキテクチャは確定しており、フロントエンドのフローも存在しますが、その裏側の資金台帳は別プロジェクトです。 現時点では、支払いはプラットフォームが調整するものであり、プラットフォーム内で全自動で完了するものではないとご理解ください。 具体的な通貨が関わる場合は個別にご確認ください。
誰が進めているか:段階と主導権は別の話
1 回のキャンペーンの状態を表すには、1 組ではなく 2 組の独立した情報が要ります。 この 2 つを混同していることが、多くの自動化ツールが「ハンドルを奪い合っている」ように感じられる理由です。
| 情報 | 答える問い | 取りうる値 |
|---|---|---|
| 段階 | 今どちら側にボールがあるか | 返信待ち · 交渉中 · 不達 · 連絡先なし · 送信失敗 · 契約下書き · 署名待ち · 納品待ち · 成約 · 失注 |
| 主導権 | 誰が進めているか | AI に委任 · 人が引き取り済み · AI が下書きし人が承認 |
この表のどのマスも正当な状態です。会話を引き取るのは、その案件を 1 行下に移すことであり、横の位置は変わりません。 そのクリエイターがパイプライン上のどの段階にいるかは、まったく変化していません。
特定のクリエイターとの会話を引き取っても、その段階は変わらず、キャンペーン全体も停止しません。 その案件の主導権が切り替わるだけです。エンジン内の 4 か所——返信の配信、フォローアップのスケジューラ、 契約署名の催促スケジューラ、自動承認の判定——が実行前にこのフラグを確認し、AI はただちに手を引きます。 AI に戻すには明示的な操作が必要で、タイムアウトによる自動回収は行いません。 無言のタイムアウトは「双方が同じクリエイターに返信する」類の事故の典型的な原因です。
その上に載る対話アシスタントも同じ規則に従います。提案系のツールは副作用を一切持たず、 アクションの記述を出力するだけです。それが承認カードになり、確認を経て初めて実行されます。 しかも実行時に呼ぶのは人が使うのとまったく同じエンドポイントで、特権的な経路はありません。 モデルがツールを誤って呼んだ結果は、誰も確認していないカードが 1 枚増えることであり、 クリエイターがすでに受け取ったメールではありません。
規模を上げたときのファネルの実際の形
ベンダーが描くファネルはたいてい均等に狭まる三角形です。以下は実際の本番キャンペーンのもので、マスキングと丸めを施しています。
バーの幅は平方根で圧縮しています。実比率で描くと最後の 2 本は図上で見えなくなります。それ自体がこのファネルの形です。
| 工程 | 人数 | 何が起きたか |
|---|---|---|
| 検索候補 | 約 19,000 | 3 バッチ合計。除外リストとの重複排除はまだ行っていない |
| 除外キーワードで脱落 | 約 6,800 | ブリーフで除外済みのニッチ。ライフスタイル全般と vlog が大半 |
| 証拠不足で脱落 | 約 10,000 | アカウントは特定できたが、使える直近コンテンツを取得できず。証拠ゲートは観測できない相手を判定しない |
| AI レビューへ到達 | 2,083 | 採点できる水準までプロフィールが揃った |
| レビュー通過 | 93 | 却下理由:適合性 1,775、コンテンツ品質 282、ブランド 156、合成アカウント疑い 99。1 人が複数の理由に該当しうるため、これは重複排除後の人数ではなくタグ件数です |
| 連絡可能 | 62 | ほかに 31 件はレビューを通過したがメールアドレスを取得できず |
このファネルには、キャンペーンの実コストを決める事実が 3 つあります。1 つ目、検索は安価で潤沢であり、 希少なのは判断材料と連絡手段です。2 つ目、最大の損失——直近コンテンツを取得できず 1 万人が脱落——は意図的な拒否です。 コンテンツを読めない状態でクリエイターを採点することはありません。欠損データに基づく確信のある判定は、 判定しないことより悪い結果を生むためです。3 つ目、これは「返信率」を単独の指標にすべきでない理由でもあります。 選別を経て、1 通ごとに具体的な理由を書ける 62 件と、一括リストから無作為に取った 62 件では、挙動がまったく異なります。 以下の 2 つは業界ベンチマークではなく hiCreator 自社キャンペーンの数値です。自動送信した初回メールの返信率は 7% 以上、 運用担当が切り口を自分で決めるツール版の経路では 10% 以上です。
データが使えるかどうかを決める 4 つの規則
ファネルの数値、レビューのスコア、オーディエンスレポートは、 基盤となるクリエイターデータが自らの限界について正確である場合にのみ使えます。 以下の 4 つの規則が、これらの数値をそのまま意思決定に使えるかどうかを決めます。 いずれもクリエイター分析の一般的な宣伝方法とは逆向きです。
フェイクフォロワー検出はルール関数であり、モデルではありません。アカウントの真偽判定に大規模言語モデルは一切関与しません。サンプリングしたアカウントを決定論的な規則で採点します。 デフォルトアイコン −5、ユーザー名の数字比率が過半 −1、投稿数を段階別に −1 から +4、フォロワー数を段階別に、 フォロー数 0 で −1、自己紹介あり +1、表示名がユーザー名と異なる +1、外部リンクあり +4、ハイライトあり +4。 アカウントはまず 4 つの「同業クリエイター」条件——公開、デフォルト以外のアイコン、フォロワー 3,000 超、 フォロー/フォロワー比 0.5 未満——を通過するか判定され、該当する場合は別枠に分類されます。 オーディエンスに混ざる同業は、ボットでも一般的なファンでもないためです。 YouTube は完全に別の指標を使い、コメント投稿チャンネルのうち開設 6 か月未満・12 か月未満の比率と、デフォルトアイコンの比率を出します。

同業クリエイターのアカウントは独立した枠で数え、どちら側にも寄せません。 この枠をならしてしまうと、「そのクリエイターの影響力が業界内で循環しているだけかどうか」という情報が隠れます。
「該当なしと回答された」と「照会を完了できなかった」は別の結論です。プロバイダが「そのメールアドレスは存在しない」と明示的に回答した場合にのみ、照会は miss として記録されます。 認証エラー、レート制限、ネットワーク障害はすべて error として扱い、miss には算入しません。 この区別を設けない場合の帰結は具体的です。「メールアドレスなし」と記録されて二度と接触されないクリエイターの一群が生まれ、 その原因は単にプロバイダがその時点で不調だったことに過ぎない、という事態になります。
サンプルはサンプルとして記述します。上記のレポートは「フェイク疑い 5%」と表示していますが、 そのエクスポートにはこの数値の出どころが記録されています。分類可能な 400 アカウントのうち、 フェイク疑いが 20、実在が 362、同業クリエイターのアカウントが 18。各セルには同じ注記が付きます——「結果は今回の分析における各カテゴリの構成比であり、フェイク疑いの比率はそのクリエイターの全フォロワーにおけるフェイク率とは異なります。」データを取得できなかったアカウントは別枠に置き、実在には算入しません。アイコン URL の欠落は、 デフォルトアイコンである証拠として扱いません。分類可能なアカウントが 30 件未満の場合、 そのラウンドは自らサンプル数が少ない旨を表示します。オーディエンスレポートは 14 日以内であれば既存の結果を再利用し、二重に課金しません。 基盤のジョブが失敗した場合、発行された権利はすべて冪等に返金されます。
サンプリングが疎なとき、精密な値として見せることはしません。コンテンツ追跡が出す 24 時間ベースラインは、直近の取得時点から少なくとも 24 時間さかのぼった、 最も近い実測サンプルを使い、同時に 2 回のサンプリングの実際の間隔も表示します。 実際の間隔が 31 時間であればレポートには 31 時間と表示され、誰も計測していない「24 時間で +12,400 再生」を出すことはありません。
料金体系
シート単位ではなくアクション単位で計測します。クリエイターマーケティングの実態に合うためです。 1 回のキャンペーンの支出は、実際に処理したクリエイターの数で決まり、管理画面にログインした人数では決まりません。 新規アカウントには 150 クレジットを付与し、クレジットに有効期限はありません。
| パック | 価格 | クレジット |
|---|---|---|
| Starter | $9.90 | 400 |
| Pro | $59.90 | 3,000 |
| Business | $299.90 | 20,000 |
| アクション | 消費クレジット |
|---|---|
| AI クリエイター検索 | クリエイター 1 件につき 0.5 |
| メールアドレス照会 | クリエイター 1 件につき 0.1 |
| メールアドレスの一括エクスポート | 有効なリンク 1 件につき 0.2 |
| オーディエンスレポート | 1 件につき 40 |
| フェイクフォロワーレポート | 1 件につき 30 |
| コンテンツ指標の取得 | 1 回につき 0.2 |
| コメント分析 | 50 件につき 1 |
| アウトリーチの自動化 | クリエイター 1 件につき 10 |
課金の挙動が 2 点、使い方に影響します。1 つ目、提示される金額は上限であって固定額ではありません。 検索の返却件数が目標を下回れば差額は返却され、ジョブが失敗した場合は全額が冪等に返却されます。 2 つ目、14 日以内に生成済みのオーディエンスレポートは再実行されず再利用されるため、 チーム内の 2 人目が同じクリエイターを照会しても費用は発生しません。
すでにツールがある場合、どこを補うか
すでにクリエイターデータベースに課金しているなら、重複するのはリストの部分だけです。 以下の作業がいまも手作業で行われているなら、そこがエージェント実行型プラットフォームの置き換え対象です。
- 1 通ずつアウトリーチメールを書く。どの 1 通にも具体的な理由が要るため
- 3 週間後にスレッド全体を読み直す。合意した金額が何を含んでいたかを確認するためだけに
- 6 つのタイムゾーンをまたいで、30 人に台本・完成動画・公開リンクを個別に催促する
- 金曜になって、火曜から止まっていた会話が 4 件あることに気づく。担当が割り当てられていなかったため
- ブリーフ変更のたびにリストを手作業で照合し、しかも誰に既に送ったか分からない
最後の項目には製品側に明確な処理があります。キャンペーン途中で選定条件を変更すると、 新しい仕様はコンパイルされ、フィンガープリントが計算され、旧バージョンとの差分が取られます。 再実行はその変更がまだ影響しうる範囲に限られます。アウトリーチメールを受け取ったクリエイターはエンジン層で免除され、 すでに連絡した相手を後から不適格と判定することはできません。データ面が権限を越えて返しても変わりません。 条件を緩めた場合は却下プールを再評価し、変更範囲が大きい場合は通過済みで未接触の層も対象に加わります。
各機能は単体でも呼び出せます。製品画面、Instagram / TikTok / YouTube のページ上にクリエイターデータを重ねる Chrome 拡張、 REST API、または Claude Code・Cursor・Codex に接続できる 14 個の MCP ツールです。 業界全体の変化についてはAI がクリエイターマーケティングをどう変えているか、 より上位の戦略についてはLessie のインフルエンサーマーケティングソリューションをご覧ください。
意図的に行わない 4 つのこと
以下の 4 点は hiCreator が自動では実行しません。評価の前に把握しておくべき内容です。
- 具体的な理由がない初回メールは送りません。定型文の一斉送信こそが、クリエイターの受信箱が開かれなくなった原因です。 会話履歴やクリエイタープロフィールを読み込めなかった実行では、下書きは強制的にレビュー待ちへ回され、 情報が不足したまま送られることはありません。
- 価格や条件を代わりに約束しません。実質的な商談の信号が出た時点で、その案件は担当者へ渡ります。
- 観測できないクリエイターを採点しません。直近コンテンツがなければスコアも出しません。1 回の実行で 1 万件の候補を失う場合でも同様です。
- サンプル値を全体の値として提示しません。オーディエンスや真正性の指標には、必ずサンプル数、分母、不明件数が併記されます。
サムネイル検索は本番環境では現在 Instagram のみ開放しており、YouTube と TikTok は各プラットフォームの評価完了後に開放します。 クリエイター検索、連絡先、追跡は Instagram、TikTok、YouTube に対応します。 X は別系統のプロフィール・監査ツールが担当し、同一のインデックスには含まれません。 オートメーションエディションはアカウント単位での開放で、セルフサインアップでは利用できません。
まずは 1 つの機能から試してください。検索を 1 回、メールアドレスの照会を 1 回、オーディエンス分析を 1 件。 リストができた後の一連の手作業が週の大半を占めるようになった時点で、エージェントの全工程を有効にしてください。
エージェント実行型のクリエイターマーケティングで最も成果を出しているチームには共通点があります。 自分で下すべき判断——ブリーフ、上限価格、台本に対するブランド判断、約束できる納品日——を明確に線引きし、 その判断と判断の間にある作業をすべてシステムに渡している点です。自動化の度合いを最大化しているわけではありません。
